かつて欧州では、小さくて安価なコンパクトカーが数多く販売されていました。
しかし近年、その状況が大きく変化しています。
フォード・フィエスタやフォルクスワーゲンup!など、多くの小型車が生産終了となり、欧州市場から姿を消しています。近年は30車種以上の小型車が販売終了または縮小されたとも言われています。(Business Insider Japan)
一方で、日本では軽自動車が今も高い人気を維持しています。
なぜ世界は今、日本の軽自動車に注目し始めているのでしょうか。
欧州で小型車が消えている理由
欧州では環境規制や安全規制が年々厳しくなっています。
規制への対応には開発コストがかかりますが、小型車はもともとの販売価格が安いため、利益を確保しにくいという課題があります。
その結果、自動車メーカーは利益率の高いSUVや高価格帯モデルへ開発資源を集中させるようになりました。
消費者にとっては選択肢が減り、「安くて実用的な車」が手に入りにくい状況になっています。
日本の軽自動車はなぜ成功したのか
日本の軽自動車は単に小さい車ではありません。
税制や保険料、維持費などを含めた制度全体で支えられている独自のカテゴリーです。
さらに日本の道路事情にも適しています。
- 狭い住宅街
- 限られた駐車スペース
- 高い燃料価格
- 地方での日常利用
こうした環境に最適化された結果、軽自動車は日本国内で大きな市場を形成しました。
現在でも新車販売の大きな割合を占める重要なカテゴリーとなっています。
欧州が参考にしているのは「車」ではなく「制度」
興味深いのは、欧州が参考にしようとしているのは軽自動車そのものではなく、「小型車を成立させる仕組み」です。
近年EUでは、小型EV向けの新たなカテゴリー創設や優遇制度の検討が進められています。
メーカー側からも
「規制が多すぎて小型車が作れない」
という声が上がっており、小型モビリティを維持するための新制度が議論されています。
つまり世界は、
「どうやって安価な小型車市場を維持するか」
という課題に直面しているのです。
EV時代に軽自動車の考え方が再評価される
電気自動車の普及が進む中で、軽自動車の思想はさらに重要になる可能性があります。
EVはバッテリーコストが高く、大型化すると価格も上昇します。
そこで注目されるのが、
- 小さい
- 軽い
- 安い
- 日常利用に十分
という軽自動車の考え方です。
実際に欧州では超小型EVカテゴリーの検討が進み、日本の軽自動車に近いコンセプトの車両開発も始まっています。
まとめ
これまで世界の自動車市場は「大きく、高性能な車」が中心でした。
しかし環境規制やEV化によって、その常識が変わり始めています。
日本では当たり前の存在である軽自動車ですが、今後は世界の自動車業界が参考にするモデルになるかもしれません。
世界が注目しているのは軽自動車という製品だけではありません。
「限られた資源で最大の実用性を実現する」という日本独自の考え方そのものが再評価されているのです。


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