こんにちは!現役のディーラー整備士blogrumaです。
点検や車検でディーラーに車を預けたとき、サービスフロントの担当者から「こちらの部品も交換がおすすめですが、どうされますか?」と聞かれたことはありませんか?
見積書に並ぶたくさんの項目を見て、「えっ、こんなに高いの?」「まだ使えるんじゃない?」「断ったら失礼かな……」と、モヤモヤした経験がある方も多いはず。
今回は、現場の裏側を知る整備士が「おすすめ部品の断り方と判断基準」をこっそり教えます!
結論:断っても大丈夫!でも「理由」だけは確認して
まず一番気になる結論ですが、ディーラーの提案は断っても全く問題ありません!
断ったからといって整備士が不機嫌になることもありませんし、次に持っていきにくくなることもありません。ただし、なんでもかんでも「高いからダメ」と断るのではなく、「なぜ今、それが必要なのか」という理由だけは必ず聞いて判断してほしいのです。
例え話:ディーラーの提案は「スマートフォンのケース」や「保護フィルム」
ディーラーがおすすめする部品には、大きく分けて2つの種類があります。これをスマートフォンの購入に例えてみましょう。
1. 「画面がバキバキなので修理」が必要な部品
これは、そのまま放置すると「画面が全く映らなくなる(車が動かなくなる)」、あるいは「指を怪我する(事故につながる)」レベルのものです。ブレーキパッドやタイヤの溝などがこれにあたります。
2. 「傷がつかないようにケースやフィルム」をおすすめする部品
これが、いわゆる「おすすめ部品」の正体です。
例えば、エアコンのフィルターや、エンジンの洗浄剤など。「今のままでもスマホは使えるけれど、やっておくと長くきれいに、快適に使えるよ」という予防のメニューです。
ディーラーの整備士は、あなたに「長く、故障なく乗ってほしい」という親心で提案していることが多いのですが、それが「必須の修理」なのか「おすすめの予防策」なのかが見えにくいのが、皆さんが不安になる原因なんですね。
結局、どうすればいいの?
見積もりを出されたとき、迷ったら次の「魔法の質問」をしてみてください。
「それを今すぐ交換しないと、次の点検(半年後や1年後)までに車が止まったり、危ないことになったりしますか?」
この質問への答えで、判断は決まります。
- 「はい、危ないです」と言われた場合:迷わず交換しましょう。それは「スマホの画面がバキバキ」な状態です。
- 「いえ、まだ大丈夫ですが、予防のために……」と言われた場合:今回は予算を考えて断ってもOKです。後日、ガソリンスタンドやカー用品店で安いものを選んでもいいですし、次の点検まで様子を見ても大丈夫です。
まとめ:納得して選ぶのが「賢いオーナー」への近道
ディーラーは「車の100点満点」を目指して提案をします。でも、皆さんの予算や車の使い方(近所しか走らない、もうすぐ買い替えるなど)によっては、80点や70点の整備でも十分な場合があります。
大切なのは、「言われるがまま」でも「全否定」でもなく、プロの意見を聞いた上で、あなたが納得して決めることです。
実は今、こうした「丁寧な説明と提案」というディーラーならではのサービスが、ある大きな問題で揺らいでいます。整備士の数が減り、一人ひとりにかけられる時間が少なくなっているのです。
「これまで当たり前だったサービスが、どう変わろうとしているのか?」
気になる方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。これからの愛車との付き合い方がもっとクリアに見えてくるはずです。
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